【活用事例】 西日本旅客鉄道株式会社様 | 現場と利用者を繋ぐ「リアルな空間共有」で社内合意を加速
ArchiX (アーキエックス) を利用することで建築の未来がどう変わるのかをユーザーと語る本企画。今回は、西日本旅客鉄道株式会社 近畿統括本部 京都建築区(JR西日本)の皆様に、駅舎や社員施設の改良工事における「導入の経緯」や、計画初期段階での「イメージ共有」の変化についてお話を伺いました。
| 会社名 | 西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本) |
|---|---|
| URL | https://www.westjr.co.jp/ |
| 担当者名 | 近畿統括本部 京都建築区 材木 敦史 様、田中 優輝 様、中野 結衣 様 |
ArchiX 導入の背景と効果
導入前の課題
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平面図や予算ベースでの抽象的な計画共有
計画段階の資料が平面図や予算のエクセルデータのみであったため、関係者間で完成イメージにズレが生じ、現場での手戻りが発生することがあった。
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BIMソフトでのパース作成の負担
Revitなどのソフトで人物や什器を配置してリアルなパースを作ろうとすると、データが重くなり非常に時間がかかるため、計画業務のスピードを落とす要因となっていた。
導入後の効果
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Revitで作成したイメージから瞬時にリアルな空間イメージを生成
Revitの簡易パースをArchiXで変換することで、1時間かかっていた作業が10〜15分に短縮。圧倒的なスピードで、関係者や利用者に「空間のリアルな雰囲気」を共有できるようになった。
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◎
部分編集による迅速なデザイン検討
「柱を黒くする」「床の素材を変える」といった部分的な変更をArchiX上で直感的に行えるため、複数のデザイン案を素早く提示し、意思決定をスムーズに進められるようになった。
計画初期の「イメージ共有」を改革。発注者兼設計者としてのAI活用
約1万棟の駅舎・社員施設を管理する「京都建築区」の役割
── まず、皆様の所属されている「京都建築区」の役割と、ご担当の業務について教えてください。
材木様: 私は京都建築区という組織の管理建築士を務めるとともに、日常業務の管理や将来の方針作りなども担当しています。京都建築区は、JR西日本の近畿統括本部の京都エリア(京都・福知山・滋賀など)において、駅舎や乗務員宿泊所などの社員施設の保守・改良工事を担う部署です。京都建築区が管轄する駅だけでも約120駅、建物数で言えば2000棟近い規模を管理しています。
田中様: 私は、老朽化した社員施設の内装改良工事などを担当しています。例えば、保線作業を行う社員が働くオフィスは国鉄時代のものをそのまま使っており、築40年以上経っているものもあります。そういった施設を綺麗にし、従業員満足度を向上させるための工事です。また、部署内のシステム担当として、ArchiXなどの新しいデジタルツールの導入も進めています。
中野様: 私は、利用者が少し減少しているローカル線の「駅舎建て替えプロジェクト」などを担当しています。計画段階で、「どのような形の駅舎にするか」という構想を練る際、自分で簡単なパースを描き、それをArchiXでイメージとして起こすといった使い方をしています。
「平面図ベース」の計画共有に限界を感じていた
── ArchiXを導入されたきっかけや、導入前の課題についてお聞かせください。
材木様: 上流で計画された資料が現場に降りてくる段階では、平面図のレベルであったり、予算を組むためだけのExcelデータであることが殆どです。
そのため、関係者間で思い描いているイメージに少しずつ違いが生じることもあり、いざ現場で組み立てていく段階になってから、認識を合わせるための手戻りが発生することがありました。かといって、一番最初から時間とコストをかけてしっかりとしたパースや設計図を組み立てるということはできません。
そういった時に、ArchiXがあれば簡易にパースを作ることができるので、計画の当初からある程度具体的な絵を共有し、お互いの認識を一つにできると感じていました。
Revitの簡易パースが10分でリアルな空間に。利用者の納得感を引き出す
── 実際にArchiXをどのように業務に活用されていますか?
田中様: もともとRevitで3Dモデルを立ち上げているのですが、Revit上で人物や什器を配置してリアルなパースを作ろうとすると、データが重くなり非常に時間がかかります。
そこで、Revit上の簡易なパース画像をスクリーンショットし、ArchiXに「執務室のような雰囲気で、什器や人を配置して」と指示を出します。すると、本当にリアルな空間イメージが一瞬で生成されます。今まで1時間かかっていた作業が、10〜15分でできるようになり、大幅な時間削減に繋がっています。
── その生成された画像は、具体的にどのような場面で使われているのでしょうか?
田中様: 施設を使用する社員に対して、「イメージはこんな感じになります」と伝えるために使っています。今までは「ここの床は茶色で…」と平面図ベースでしか共有できなかったのが、空間としてのイメージ共有ができるようになったのは大きいです。
中野様: 私たちはインハウスの技術者ですが、関係者全員が建築の専門家というわけではありません。そのため、具体的に人物などといった「添景」が入っていた方が、空間の大きさや雰囲気が伝わりやすいんです。
部分編集で「柱の色」も瞬時に変更。複数案の提示で意思決定をスムーズに
── ArchiXの機能で特に便利だと感じるものはありますか?
田中様: 「部分編集」はよく使いますね。例えば、「ここの柱は白いけれど、黒くしてみたらどうなるだろう」と思った時に、マーカーで囲って「柱を黒くしてください」と指示するだけで、その部分だけが変更されます。「柱が黒いバージョンはこちらです」「白いバージョンはこちらです」というように、提案のバリエーションを素早く作れるのは非常に助かっています。
また、工事途中で仕様が変更になった際にも役立っています。例えば、「窓がなくなって壁になるけれど、そこにどんな色のタイルが合うか」といった検討をする際、元のパース画像を読み込ませて部分的に変更し、仕上がりを確認するといった使い方もしています。
AIが3D空間全体を生成する未来へ。責任は人間が持ち、ツールとして最大限活用する
── 今後、AI技術にどのような進化を期待されますか?
田中様: 夢のような話かもしれませんが、Revitで立ち上げた3DデータごとAIに読み込ませて、空間全体をリアルに変換できたらすごいなと思います。都度写真を編集しなくても、そのリアルな3D空間を自由に歩き回って「ここはこういうイメージになります」と説明できれば、一つのデータで全てが完結しますよね。
材木様: 構造や寸法といった基礎データを入力するだけで、AIがより精度の高い設計図との連携を行ってくれるようになると最高ですね。また、AIはあくまでツールであり、最終的な責任を持つのは人間です。そこをしっかりと切り分けながら、計画の初期段階から関係者が同等のイメージを持ってプロジェクトを進められるよう、今後もAIを有効活用していきたいと考えています。
企業概要
西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)は、近畿圏を中心に北陸から九州北部まで広大なネットワークを持つ鉄道事業者。京都建築区は、京都・福知山・滋賀などのエリアにおいて、駅舎や乗務員宿泊所など約2,000棟の建築物の保守・改良・新設を担い、安全で快適な鉄道インフラを建築面から支えている。
近畿統括本部 京都建築区の管理建築士を務める。京都エリアの駅舎や社員施設約2000棟の管理方針や将来ビジョンを策定。国鉄時代からの計画プロセスを見直し、AIを活用した「初期段階からのイメージ共有」を推進している。
京都建築区にて、老朽化した社員施設の内装改良工事を担当。従業員満足度(ES)向上のための空間づくりを行う傍ら、システム担当としてArchiXをはじめとする新しいツールの導入・定着を牽引している。
京都建築区にて、ローカル線の駅舎建て替えプロジェクトなどを担当。地域特性に合わせた設計や、将来の保守性を見据えたプレカット木造駅舎の構想など、新しいアプローチで設計業務に取り組んでいる。