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ArchiX(アーキエックス)を利用することで、空間づくりの未来がどう変わるのかをユーザーと語る本企画。今回は、アートを軸に空間プロデュースや地方創生事業を展開する株式会社Pasona art now(パソナアートナウ)の吉田怜史さんと中村純也さんに、専門知識の「壁」を取り払い、誰もが直感的にビジョンを共有し合えるArchiXならではの「次世代の共創コミュニケーション」の可能性についてお話を伺いました。
| 会社名 | 株式会社Pasona art now(パソナアートナウ) |
|---|---|
| URL | https://pasona-artnow.co.jp/ |
| 担当者名 |
クリエイティブ事業部 吉田 怜史 様(取締役専務執行役員) 中村 純也 様(クリエイティブ事業部) |
抽象的なイメージの具現化に時間がかかり、認識のズレによる手戻りが多発していた。
既存パースへの合成では作品が浮いてしまい、CAD等の専門スキルがないスタッフは修正が困難だった。
言葉で伝わらないニュアンスを直感的に可視化し、社内確認や提案スピードが向上。
専門知識がなくても操作でき、建築家・デザイナー・非専門家が対等に議論できるようになった。
――まず、Pasona art now様の事業内容と特徴についてお聞かせください。
中村様: 私たちはクリエイティブ事業部として、「アート」をインテリア、空間、ライフスタイル、そして地域へと横断的に統合するサービスを提供しています。
大きな特徴は、一級建築士事務所としての機能を持ち、建設業(レンガタイル業・内装仕上業)の許可も取得している点です。 単に作品を飾るだけでなく、アートをより建築空間にフィットさせるためには、建築的な知見や施工能力が不可欠だと考えています。現在は、アートの企画・導入といったソフト面と、内装や外装といったハード面の「2軸」で事業を展開し、デザインから施工、運営までをワンストップで手掛けています。
吉田様: 私たちの強みは、建築的な基盤の上で、あらゆる空間や課題に対応できる「柔軟性」です。特定の作家を抱えるギャラリースタイルではなく、約2,000名のネットワークから最適なアーティストと協業し、その場所だけの作品を生み出しています。
この手法は、オフィスや商業施設、医療施設にとどまらず、現在注力している淡路島などの地方創生事業でも活かされています。リノベーションや街づくりといった大規模なプロジェクトにおいても、アートを起点とした柔軟な空間づくりを行っています。
――空間づくりの現場でどのような課題を感じていらっしゃいますか?
中村様: 最大の課題は、作家の頭の中にある作品のイメージを、いかに100%に近い状態でクライアントに伝えられるかという点です。 私たちは既製品を置くのではなく、まだ世の中にない作品を一から作り上げます。しかし、作家の頭の中に素晴らしい構想があっても、それを言葉や簡易的なスケッチだけでクライアントに伝えると、どうしても認識のズレが生まれてしまいます。
吉田様: これまでは、既存のパース画像の上にPhotoshopなどで作品の画像を貼り付けて提案することもありました。しかし、それではどうしても作品が空間から「浮いて」見えてしまい、本来の魅力が伝わりきらないこともありました。
作家に気持ちよく創作してもらい、かつクライアントにもその価値を正しく理解してもらうためには、この「イメージの伝達」の精度を上げることが急務でした。作家のアイデアを邪魔せず、その世界観をスムーズに可視化するツールを求めていました。
――数あるサービスの中で、ArchiXに魅力を感じられたポイントは何ですか?
吉田様: 初めてArchiXを見た時、「未来が来た!」と思いました。 建築業界には、建築家やデザイナーといった「専門家」と、私たちのような「非専門家」の間に、知識やスキルの壁が存在します。これまでは、その壁のせいで我々は「情報の伝達役」になりがちでした。
しかし、ArchiXを使えば、専門的な知識やCADなどのツールのスキルがない人でも、頭の中のイメージをビジュアル化できるようになります。これにより、全員が対等な立場で、ポジティブな議論ができると感じました。まさに職種の垣根を越えて、全員がフラットにものづくりができるツールだと感じています。
中村様: 実際に使ってみて、直感的な操作で空間イメージを共有できる点に惹かれました。特に社内外の確認フローにおいて、言葉だけでは伝わらないニュアンスを画像で即座に見せられるため、意思決定のスピードが劇的に上がると確信しました。
――導入によって、組織や業務にどのような変化が期待できますか?
吉田様: 経営的な視点になりますが、「採用」や「組織づくり」にも良い影響があると考えています。 これまでは空間デザインの仕事をするには、美大卒であることや、専門的な3Dソフトが使えることが必須条件になりがちでした。しかし、ArchiXのようなツールがあれば、「アートが好き」「空間を作ることに熱意のある」人材が、技術的な壁を超えて活躍できるようになります。
スキルセットのハードルを下げることで、より多様で情熱のある人材を採用・育成できる。これは人手不足の業界において、非常に夢のある話だと思っています。
――最後に、今後の活用展望やArchiXへの期待をお聞かせください。
中村様: 今後は、具体的なアート作品のテクスチャやサイズ感を、より正確にパース内に反映させる精度向上に期待しています。そこがクリアになれば、作家さんとのコミュニケーションもより円滑になるはずです。
吉田様: 私たちは現在、全国各地で地方創生プロジェクトに関わっています。例えば、古い建物をリノベーションして活用する際、地元住民の方々との合意形成が非常に重要になります。
専門的な図面を見せてもなかなか伝わりませんが、ArchiXで「こんなイメージになります」というビジュアルを提示できれば、地域の方々の理解を得やすくなるはずです。単なる業務効率化ツールとしてだけでなく、人と人、地域とアートを繋ぐためのツールとして、ArchiXを活用していきたいです。
アートを「インテリア/空間/ライフスタイル/地域」に横断的に統合するワンストップサービスを提供。コンセプト立案からデザイン、施工、運営、プロモーションまで一気通貫で手掛ける。
建設業許可を持ち、理論と技術の両面から空間構築が可能。現在は淡路島や熱海など、地方創生プロジェクトにおけるアートプロデュースでも実績多数。
所在地:東京都港区南青山(本社)
設立:2010年
事業内容:アート空間プロデュース、アート販売、イベント企画、BPO受託事業 ほか
HP:https://pasona-artnow.co.jp/
Pasona art nowにて、経営視点からアート事業の拡大と組織づくりを牽引。「人」と「アート」の可能性を最大化する視点で事業を推進している。
中村 純也 様クリエイティブ事業部にて、実際の空間デザインやプロジェクトマネジメントを担当。パソナグループの淡路島プロジェクト等、大規模な開発案件におけるアートディレクションにも従事している。